日本最古の説話集といわれ、奈良時代が終わって、平安京への遷都があり、時代が動いていた頃の話だ。景戒と言う人が著した。
奈良時代には既に奈良の大仏さんが出来上がっていたのに、遷都した訳は、大仏作りに疲弊したこともあるし、僧侶が台頭してきたためでもあった。
この本にはおかしな奇怪な話ばかりが載っていて、人の興味を引くようにできている。
たくさんの人に読んでもらって、道徳的な心を育てたいと言う趣旨があった。殺人や、盗みを悪いこととして自覚すると世の中も平和になるだろうということだ。
ある人が、塩を一銭分買って、お金を払わずに死んでしまう。彼は次の世に牛となって生れ変り、塩一銭分の借りを返すまで、塩を運ぶ苦役を果たすのだった。
また、悪魔の子供に取り憑かれた母親に、高僧の行基が、その赤児を淵に捨てよと、警告するのだ。
赤児は10歳になっても歩こうとせず、母親にしがみついて乳を飲んでいたのだ。もう一度、行基は、強く同じことを母親に忠告する。淵に投げ込まれた赤児は、悪魔の姿を現して、「お前に取り付いて、昔の借りをかえしてもらっていたのだ」と叫んだ。
このように因果応報の理りを説いている。悪い事は後の世にまで降ってバチが当たり、善行は後世においてさえも、良い方へとなびいてゆくのだ。このようなことが真実であるとは、現代では無関係だと割り切っている。ただスッポコの経験では、そればっかりも言っておられない現実があるのである。
例えばゴミを自分の家できちんと処理せずに、川に捨てたり、よその家の空き地に捨てたりした場合
は、てきめんに、天罰が当たるような気がするが、どうだろうか。当てはまる人は、直ぐに、その悪い行いをやめてみる事だ。とにかくゴミは変なところに持っていかない事だ。社会の規則を遵守するという事だ。
人間は色々なものによって守られている。大自然を汚すような事に対しては、戒めがあるのである。
ただこれを信じなさいというと、必ず、一笑にふされるのである。だから言わないが、結局はその本人が損するだけだ。
狐の嫁さんが子供を産んで、夫婦で仲良く暮らしていたり、娘が蛇に襲われれたりと、奇抜な話がどんどん出てきてすぐに読めてしまった。
娘は、前に助けてやった蟹が、大蛇を切り刻んで、助けられるのだった。めでたし、めでたし。
今回は弟が持っていた漫画本で読んだ。
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