佐藤愛子は、実は詩人のサトウハチロウの妹だって知ってました?
道理でね、文学の道へ入ったにはそれなりの理由もあったのだね。血族ですね。
人生相談は、あっという間に読めて ストレス解消になった。
オン年九十三歳の愛子先生が現代にはびこる色々な問題に切り込んで行く。切り口は半べんちくわを切るように素早く、大根の切り口のように潔いものだ。
勉強をしない娘、サプリを買い漁る老父など、誰でもみじかに出会いそうな悩みが多い。
この歳で、しゃんとしておられるのは不思議といえば不思議。だいたい、大正生まれの人は、こんじょうがあり、転んでもタダでは起きず、シブトサが特徴である。スッポコの母は愛子先生の一つ下であるが、利己的で、しぶとく生きる老女である。
余談になって申し訳ないが、スッポコの祖母の自慢話。明治女は賢くとても強い意志を持ち侍の奥方のような人が多いとおもう。スッポコの祖母は、十代で嫁に来てから働きに働いて結核で主人や子供3人を失い、地震で家も失い、その後も火のように進みつづけ家を守ってくれたのである。電気もガスもない時代の膨大な家事は家族分の布団を作り、着物を作ることから始まり、多肢に渡る。
そういう強い明治女の後を継いだのが大正女である。
クネクネしたずる賢いだけの薄汚れた女とは一線を引くものだ。