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スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

ドールズ 2002年 北野武監督

これをヴェネツィア映画祭に持って行った北野監督であった。

アキレスと亀であったら、賞を取れたのではないだろうか。ドールズはなんというか日本の浄瑠璃とか桜紅葉とかを盛って日本をアピールしているが、その事はあまり意味が ないような気がする。
西島秀俊(この人の名は覚えにくい)は、恋人の菅野美穂を振って、会社の上司の娘と結婚することにした。それを気に病んで菅野美穂は自殺未遂するが一命は取り留める。だが、心はおかしくなってしまい誰の顔もみわけられず、言葉もはっせられない障害者となりはてていた。それを知った西島は結婚式の日に式場を出て菅野のもとに向かう。子供のようになった菅野を車に乗せて、そのまま放浪の旅に出る。「あれは繋がり乞食というものだよ。」気の狂った妻をつれていく乞食の男が昔からいたんだね。
西島は責任を取る覚悟で会社も辞め世捨人になり菅野美穂とずっといっしょにいようと決心をしているのだった。二人は体を紐でつないで歩いて行くのだった。 それは菅野が勝手なところにいかないようにとの思慮であった。赤い編み紐で繋がれた二人を世の中の人は不審がって面白がって見るのだった。
西島はコンビニでおもちゃを取ったり、トラックの前に飛び出していく菅野を我が子のように世話をするのであった。菅野は白痴同然の状態であった。考えてみればオトナの女を面倒見るっていうのはちょっと気持ち悪くて
全て北野の男目線の見方である。ウエーッとなる。フェデリコフェリーニの道を模したのかもしれない。風合いは全く違うけれどね。男女二人だけで、流浪の旅だがこちらは、まさに人形のように食べたり飲んだりの生きた所作はほぼ無くて、ただ繋がれてひたすら歩いて行くのみである。
男の歩幅は大きいから、西島の一歩が菅野の二歩になる。菅野は常にトコトコ歩きでついて行くのが大変そうで、ひどすぎた。
菅野は文句もあったろうが、ヴェネツィア行きのため耐えたのであろう。
しかしこんなにして歩くだけの芝居はほんと辛いだろうな。
完全に男有利の法則で進み続けるのは武の法則が男性有利に強く傾いているからだろう。
それになぜ車を捨てて歩くのか、お金がなくなったのか。意味がわからない。やっぱりお金でしょうかね。
ただ、ファッションは、山本耀司で、ちょっとファッショナブルだ。お金ないのになぜこんないい服が次々買えるんだよ、と突っ込みたくなる。
とうとう冬になって雪が積もり、東北地方であるのか、半端ない深い雪であった。
その雪の中を二人はただひたすら歩くのである。ロケも寒かったはずである。なぜ最後は雪の中なのか。これも日本の風景、日本情緒の演出をしたかっただけなのか。 あまり余計なことをしないほうがよかったと思う。内容の薄さを補おうとしているかのようにみえるだけだ。
旅をするうちに、菅野は記憶を取り戻しつつあり、最後には西島が最愛の恋人であったことを思い出す。涙とともに抱き合う二人であったが、あまりにも過酷すぎる旅であった。
ぼろぼろの心と身体であった。ホテルの壁にもたれて雪風を避けていた二人であったが、ホームレスと間違われて追い出されてしまう。
かれらはとぼとぼとと橋を渡り、雪の谷間のようなところで、足を取られて滑落する。結ばれている紐のために二人とも滑落し崖の木に刺さったようになって死亡する。これが二人の最後であった。
この映画は他にも2編入っていてオムニバスになっているのだ。目先を変えて色々な味のするキャンディーというところだ。どれもそれぞれ結構面白いのだが、何か物足りない気もする。
深田恭子がアイドル歌手の話と、ヤクザの親分が渋い顔で出てくる話で、どちらも面白い。どちらも唐突な悲劇でおわる。こんな話が何度も出てくるのは映画ではない。コントである。
映画にコント形式を当てはめてはいけないだろうに。
いいところまでは行くのだが全体的に満たされていないのは欠点と言えるだろう。
このようなわけで、ベネツィアでは賞をのがしたのであった。
     こんな欠点を克服して、「アキレスと亀」は武監督にとって最も良い作品となったと思う。
 
 
 
 

 

 

 

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