スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

猟人日記 ツルゲーネフ 1952年

トルストイ  、ドストエフスキーと並んで、ロシヤの三大文豪のツルゲーネフ(1818年)は、3人のうちで一番早く生まれている。ツルゲーネフドストエフスキートルストイと比べて、あまり読まれてはいないと思う。
早く生まれたと言っても、ドストエフスキー1821  トルストイ1828 といったくらいの差しかないのだ。プーシキンは1799年で、世紀も違っている。
初恋  、父と子 、ルージンなどの代表作があり、中でも父と子は、ロシア文学の記念塔であるらしい。ただ父と子という題名は、現代では人気がないせいか、ほとんど読まれてはいないだろう。スッポコも、大いに敬遠してしまい、手っ取り早そうな「猟人日記」を読む事にした。
なるほどね。日記形式で、3話程のお話がのっている。始まりは、眩しいような良い天気(この眩しい天気はスッポコの苦手とするものである)の中を猟犬と一緒に狩りに出かけた主人公であった。ツルゲーネフ自身であろうか。貴族出身の彼の趣味は、猟であったのだ。これは特権階級の趣味である。その日は、いつになくとても沢山の獲物がとれて袋一杯になっていたのだが、いつのまにか道に迷ってしまった。重い袋を持って、帰り道を探すが、なぜかどんどん知らない場所へと迷い込み、不気味な沼のように見える広い荒れ地や、知らない森へと当てどもなくさまよう。賢い犬を連れていたが、犬にも恥ずかしく感じるほど道に迷ってしまい、犬の顔が恥ずかしくて見れないのであった。
とうとう夜になってしまった。
こんな事は初めてであった。だが、運良く灯りが見えてきて、その仲間に入れてもらい夜を明かすことになった。
それは貧しい農民の子供達で、皆が 放牧馬の番をしていたのだった。
彼等の生き生きとした会話は貴族の彼には新鮮というか、意外なものでもあった。豊かな暮らしをする彼には農民の暮らしなど遠いことであったのだろう。
彼はその後も、農民、農奴らの貧しくとも機知に富んだ人柄や、生活を綴ってゆくのだった。
   
ある貧しい男、カシアンという男に馬車の直しを頼む事になった。猟の途中で 馬車が壊れたからだ。猟銃をもって、猟をするツルゲーネフに、「あんたは罪のない動物を撃って殺して、それを遊びにしている。罪深い事だ。」と言うのだった。
カシアンは見た目も全く冴えず家族もなく、仕事らしい事もせずにただ何かのあてで暮している男であった。
しかし何か困った事が起こると、皆がこの男を呼んで何かと助けてもらうのだった。
彼はノミのような体つきであったが、結構信心深く、人の病気をなすので重宝がられた。
「まず、人を治す草がある。また悪い性質の草もある。オオバコとかは一般的でよく知られた薬草だ。またもっともっと美しい花は神様のものだ。」そんな事をぶつぶつと呟くカシアンであった。ツルゲーネフは彼のいう哲学者のような聖人のような言葉に驚き、あいた口がふさがらないのだった。
ツルゲーネフ農奴性に反対の意を示し、投獄される。だが、最後は、尊敬され、葬儀は国葬であった。


世界文学全集〈第10〉ツルゲーネフ (1968年)貴族の巣・父と子・猟人日記・初恋

世界文学全集〈第10〉ツルゲーネフ (1968年)貴族の巣・父と子・猟人日記・初恋

追記‥奇しくも?野草の本を読んんでいてオオバコのことがかいてあり、早速、オオバコのリカー
漬けを作っていたところだったので、丁度の偶然にビックリ。
本当はヘビイチゴのりカー漬けで虫さされの薬を作りたかったのに、とおもいました。
オオバコは、ピリリとして、痒みが引いてゆくのですごいかなあと思います。痒いあせもにもつけています。ヘビイチゴは食べるとヘビになるとか言われて絶対に食べませんでしたが、食用になり、かつ虫刺されに効くそうです。