スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

ユング 1875〜1961年ユング心理学入門より

スイス精神科医で世界的有名な人。ユングという響きがいい。イコール忘れられない。で今日まで来たが、映画「危険なメソッド」でつながってしまい、心理学の本を読むハメになった。高校の図書舘の棚に、じっと佇んでいた本を開いた時は、チンプンカンプンで、すぐに返してしまったのに。

林 道義先生の本と河合隼雄先生の二冊を読んだ。意外と理解できた感があったのには驚いた。こんなわたしでも理解できた。というよろこびである。内向性と外向性のことが一番分かりやすかろう。折しも道義さんの言っていた通り、男の育休はあまり意味が無いとの意見がズバリあたって、議員が辞職したので、おもしろおかしかった。道義はフェミニズム反対を主張している。私も子どもは何でもかんでも保育園、そして女の管理職というような社会の歪みはひどいものがあるだろうと予想はしている。道義の言うことにもっともだと思ったものだ。
ユングが、ナチスに対して、逃げ腰であったという世論に対して、よくわかる具体的な例を出して、ユングの誤解を解いた。ユングはヨーロッパのいや世界精神科医学会の会長に就任したが、ナチスの統制下になることを防ぐためにあらゆる対策を講じていった。
だが、とうとうその努力も虚しく権力下におかれてしまう。ヒトラーに扇動されたドイツ国民は、よく集団ヒステリーと言われているが、ユングはヨーロッパの人間が抑圧され続けてきたという精神の歴史を鑑みて、解き放たれようとする爆発が起こったとみている。余談であるが、ローリングストーンズのミックジャガーの言う通り、「ヨーロッパの人々は、抑圧されている。俺たちは開放しにきたんだ、云々。」
また、ユングが牧師の家の子で、親戚一同みな位の高い牧師というすごいキリスト教の環境でそだったということもわかった。ただ彼は、それでもキリスト教に縛られることなく進んで行く。その自由さは比類ないものではないかとおもう。そして道義はユングを通して言う。「キリストが十字架を背負ったのは、世界の人間の罪を贖うためと、もう一つ、神という残酷な存在の罪?を人間に詫びる、贖うためだった。ということをいっている。わたしは初めて、十字架に対して納得した。どうしても分からなかったからだ。なぜ、人間の罪を贖うために十字架に付いたのかが。キリストにはもう一つの意味があったのだ。
 
     さて、河合先生は、大御所である。ユングが患者を診察して気づいた曼荼羅の存在は、私はほんとうのことだとおもう。あるプラントハンターがジャングルで80日拘束されて殺されるかもと、恐怖で過ごしたときである。いつしか四つの箱の庭の絵を書きつづけていたという話をしていた。正方形を4つに区切った形である。死の恐怖と戦うときに頭に浮かんできたそうだ。ユングは患者の病が回復に向かうときにこの図柄が現れることに注目していた。東洋のマンダラであった。東洋の神秘というものにもユングはめをむけるのだった。
いろいろな夢や具体例を出して河合は話を進める。意識と無意識、自我と自己の対比も興味深い。
たとえば意識界とは、ゲーテファウストの第1巻であり、無意識界というのは第2巻のハチャメチャなことが起こる章であるといっている。
無意識というのはそれはとても恐ろしいもので よくおとなしい目立たない少年の殺人事件などでも、吹き出してきた無意識の しわざであると私は思った。無意識というものは空恐ろしいものとなって、人の人生を食いつぶしてゆくことがあると。
たとえば神だ。ときに残酷極まりないものを人類に与えてくる無法の存在。これを無意識にたとえるとその恐ろしさなどが分かりやすいのでないかと河合は言っている。
ユングが築いていった変わった診察術。それを知るにつけても、映画の「危険なメソッド」のはちゃめちゃぶりを思い出す。そしてそれも許されることであったのかもと、作り話だが、そう思った。じゆうじざいに動くユングの広さと洞察力にうならされる。ユングは、人間の内部を系統立てた人か。患者を見る、ただ見ることに努める。意外にもそういう素直な初歩的に見える観察から、色々なことが分かるという。人自体を大切にしたユングであった。
直感と厄介な感情。アニマとアニムスに振り回される人たちの話。なるほどそうだったのかと、目からうろこ的発想が次々と発せられる。そしてごく繊細な絵のようにユングはそれらの心象をえがいてゆく。繊細でなければ何も語れないぐらい目に見えるものにしあげてゆき、言葉にも翻訳したのだった。その洗練された技法がたかだか1900年ごろに出来上がったということは驚嘆に値すると、河合隼雄はいっている。洗練という言葉はなかったけど。裸の付き合いのように、患者に向き合う彼。人を救うことに使命を感じていたのかなあ。まあ牧師さんの家系だからねえ。
f:id:dekochanya:20160220000816j:imagef:id:dekochanya:20160220000821j:imageすまし顔のユングよりちょっとお茶目なユングの方が彼らしいよ。
 

 

 

 

ユング心理学入門

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