スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

統合失調症がやってきた 2013年発行の本

よく書かれた闘病記だと思い感動した。このようなものは初めてだなあとおもった。デコちゃんは癌闘病記や、難病闘病記を結構よんできたのだ。頼藤和寛先生の「私、癌です。ある精神科医の耐病記」以来の感動だ。今思い出してもあの本は身の毛がよだつような気がする

今回は癌ほど恐怖はないものの、何かが違うと感じた。なぜかしみじみと彼の孤独が身にしみ、闘病の有り様が、すごくみじかにかんじられてそばで暮しているような感じが湧いてくるのだった。世代のせいかも知れないし、本当に上手く書かれていた。事実をかいているのに誇張や意固地さがかんじられない仕上がりである。他の人が筆を入れたとしても。彼のことを心配しながら読んでいった。ハウス 松本という漫才コンビのことはあまりしらなかった。そのコンビの一人のおとこのはなしだ。何故か一気に読めた。不思議でござる。これは統合失調症になっていった過程が結構細かく書いてあるがこれがすべてではないだろう。まあ辛い話だな。最初はとても頭の良い勉強のできる彼だった。超一流の塾に入りガンガン勉強するというか、させられるのだった。悪いパターンにのみこまれていく彼であった。あるときを境に幻聴が聞こえ始める。彼は病気の正体もわからずにオドロオドロシイ生活を送ってきた。しかしお笑いの世界に飛び込んだ彼はハウス松本としてブレイクし、時代の波に乗ったのだった。実はこの本は相方の松本が病気の彼の書いたものをまとめて推敲して世に出したのだった。
相方の恐ろしく苦労する生活はつづいたが、お笑いの仕事が忙しくなるにつれてまた調子がへんになり、ついに舞台に上がれなくなる時が来た。過労は良くないということだ。症状が重くなり、もう限界というキワまで来て、とうとう入院を余儀なくされてしまった。無気力や恐怖が彼を襲い食い物にした。とてもつらかっただろう。かれはいつもみんなに対して悪い悪いとおもってきた。相方にも、家族にも、心配かけて悪い悪いという思いでいっぱいのようだ。何故こんな良い人が病気になってしまうのか。不公平だ。でもよく読んでみると原因の手がかりがちらほらとかかれてもいるのだ。
病院での生活もおもしろおかしく書かれていて笑えた。本当は笑うどころの話ではないのにわらえる。これはすごいことであるな。かれには舞台復活の夢があり、おかげで病気も安定し復活を迎えることができたのである。デコちゃんはこの人に励ましのお便りとかを書きたいとおもったのでした。
 
 

 

統合失調症がやってきた

統合失調症がやってきた