スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ひまわり 1970年ヴィットリオ デ シーカ監督 伊 仏 露の合作

ひまわりって随分昔になってしまったなあ、でも結構はやっってたのよね。たくさんの人が見ているはずだ。

ソフィアローレンと、マストロヤンニのコンビ復活の映画である。

ひまわりの大草原が見せ場のひとつである。明るい花だが、主人公らの心は暗く哀しくどうしようもないまま、愛は引き裂かれていく。戦争のせいで、男はロシアに行き、雪の平原で倒れてしまう。男は何も覚えておらず、ロシアの女に助けられそこで暮らすことになる。

だがソフィアはイタリア製のバッグひとつで夫を探しにロシアまで来たのだった。この広い国のどこに彼はいるのか。

ソフィアは、女の執念を見せて探し出すが、

夫は、もう子供も作って幸せに暮らしていた。「ドウジョ、ドウジョ 」と言って、家に入れるロシアの女、お入りください,という意味だろうが、え?日本語?と一瞬思った。

イタリアに帰って泣きはらし、夫の写真などめちゃくちゃに壊して捨てる。

そこに、姑がやってくる。「おや、息子の

写真がないねえ、どうしたんだい」

「ええ、あの人は、ロシアで子供まで作って家族があります。」

「じゃあ、もういいから、あんたは自由に生きなさい。」姑はそう言っているように見えた。

彼女は思い出を振り切るように、別の男と結婚し、男の子ができる。

後日、夫は妻のことを思い出し、イタリアに入国し、元妻と会う。夫のイタリア行きをロシアの女は止めずに、許した。

妻と会ったが二人はお互いどうすることもできずに 、再び別れなければならないのだった。

イタリア女の気性の強いソフィアローレンの熱演に、今さらながら驚く。

 

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あやしい彼女 多部未華子主演 2016年 水田伸夫監督

婆さん役は倍賞美津子で、この人が、事故の衝撃で20歳(多部未華子)に若返るコメディーだ。

70歳を過ぎている婆さんは、いつも、家族と衝突しがちで、その心がわかってもらえずさみしい思いもしていたが、突然20歳になってしまい、家族に隠れて家を出た。家族は必死で探すも行方不明で捜索願が出される。

 

彼女は歌を歌うことになり、孫の作った歌を孫のバンドで歌い、評判になる。

孫も誰も、多部未華子が、自分らのおばあちゃんだとは気がつかない。

とうとうフェスの日が来て、優勝すればCDを作って売りだしてもらえることとなっていた。

ところが、孫は、会場に来る途中、事故に遭い救急車で運ばれてしまう。

 

婆さんは、声を張り上げて、一生懸命に歌い、プロデューサーに認められ、世に出ることになった。

しかし婆さんは孫のいる病院に走り、プロデューサーの前からいなくなったのだった。

本当はすぐに病院に行くべき婆さんだったのにと、ここの筋書きが変に歪んでいる。

元から時空の歪んだ話であるにしても、孫の命は待ってはくれまいに。

20歳の婆さんは孫に献血をしてやり、孫は助かる。

しかし、若い娘は、婆さんに逆戻りしてしまった。

娘は家のことは全ては婆さんに任せて文句ばかり言っていたことを、恥じて、ごめんなさいという。

 

婆さんには娘の知らない壮絶な過去があった。その事実を婆さんの知り合い(金井克子)に教えてもらいおどろく。

婆さんは昔、つまり戦時中はとても貧しくて、幼い娘が病気しても医者にもつれてゆけず、死にそうな娘をただ、抱いて治し、育てた。人を騙してでも食べるものを買わなくてはいけなかった時代の一人であった。そんな苦労の思い出は一切娘に語らずじまいで、頑固婆さんとして通っていた。

本当は、必死で娘を守った母親であったのだ。彼女は、やはり戦争孤児らと助け合って生きて来たという、道に落ちている虫でさえも食べなければいけないような日々であった。

そこのくだりは、泣けるものがある。だがいつ、またその様な、いやそれよりもひどい日々が、くるかもしれない。

アフリカのケープタウンでは、水枯れが起こっているという。水がなければ、人間は生存できない。

地球のどこかで、何か考えられない様な不気味な事が起こっていると感じるのは私だけではないはずだ。ミレニアムのアルマゲドンはなかったものの。

 

婆さん役に、倍賞美津子、その友人に金井克子という懐かしいメンバーであった。二人は昔はダンスが上手でよくテレビでも踊りを披露していた。

いまでも、レッスンは欠かさないのか動きは健常なものだった。

 

あやしい彼女 [DVD]

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KENZO 高田賢三

 

 

1939年生まれ 、1970年にパリに自分の店を出す。
パリのケンゾーは、長いこと日本人として、ファッション界を牽引してきた。森英恵もそうだが、

わてはなぜだか、賢三が好きである。高田賢三という名前も何かキラメキがある。たぶん高田という名前が高額とかのイメージに近いからなのか。

人を惹きつける魅力はあの育ちの良いマイルドでやさしい性質が感じられるからだし、人のために役立つデザインを心がけているからではないだろうか。

彼の色使いは特に美しい。あの美しさは、彼が幼少期から培った基本的な何物かであろう。

美しさを人のためにという心意気である。

ところがわては彼のものを一点も買ったことがないときた。

 

夢の回想録 高田賢三自伝

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Kenzo―高田賢三作品集

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パーフュームでも一個買ってみるかな。今はケンゾーブランドは、どっかに吸収さている。

ケンゾーブランドのあのピンクのルージュの色が忘れられないスッポコである。

 

 

 

 

 彼は奇をてらったようなカタツムリや、アンバランスなお化けの様なデザインをするのではない。人間が実生活で着ても耐えられる限度の物を作る。そう感じるのは私だけであろうかな?

 やはり人間性が基本となるのではないか。その点で言えば、高田の温厚な性格や生き方が反映されたデザインと言える。

一つのショーをする為に、数千万円のコストがかかる事業である。これを商売にするのはとてつもない

ことである。華やかなものの裏では激しい戦いが行われていたのだ。

コシノジュンコ山本寛斎らと同年ぐらいの組であった彼は、パリで成長を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビューティフル マインド 2001ねん ロン ハワード監督 a beautiful mind

ノーベル賞数学者のジョン  ナッシュの実話であろう。ともかく毎日、beautiful,beautifulとうるさいほど宣伝しアカデミー賞をとった作品である。それはともかく、

この映画を長いことアップ出来なかったのには、いろいろ訳があった。これは暗く悲しい映画である。弟に、なぜbeautiful なのかなあ、beautiful mind って、どういう心のことなの?と、きいたところ「しらないよ。まあ、汚いのはいけないということだろう。」と、いい加減な答えであった。

主演は、かのラッセルクロウだし、奥さんも締まった良い演技であった。

 

ナッシュ博士はプリンストン大学の時から、物凄く勝ち気であった。数式を考えている時は夢を見ている様に見える時があった。

自分の才能にすごい自信を持っていて、どんな難問も解いてみせると意気込み、新しい論理を立てると言っては意気込み、ライバルがあっても自分が勝利するのだと思うタイプの男であった。

恩師の教授には、アインシュタイン博士と会わせて欲しいと教授に迫り、自分の論理が正しいことを認めてもらおうと必死だった。その内、ついに

彼ナッシュは新しい論理を展開し、大学に認められ、博士となり、優秀なものしか入れない政府の機関であるウィラー研究所に入所した。

 

出世した彼は、素敵な女性と結婚して、子供もできる。 

ところがこの仕事が災いしてか、幻覚がみえるようになる。研究所というのは、敵の暗号を解いたりして行く、戦争の機密基地であり、当然、何もかも秘密を漏らしてはいけないものであった。

彼はそこで暗号解読に成功したのだが、精神の病に侵されてしまう。いつも、敵側のスパイに見張られているという幻想が付きまとい、最後にはいないはずの旧友や、少女なども現れて彼を混乱させて行く。

 

ちょっとこの辺りから、現実とフィクションの境目のない映画になるが、監督はそこには構わず、どんどん進めて行く。ロンハワード強し。

とうとう医者が来て強制入院となる。そこで何か別人になる様な拷問の様な治療を受けて退院する。

 

彼は確かに別人の様な、無気力でもう数学のことは忘れたかの様な廃人と化していた。数学のことを考えるのは医者から禁じられていた。

妻は献身的に彼を支えるが、精神の変調が起こると、もうお手上げであった。そんな生活が何年も続いて、妻の心はもうボロギレの様に使い果たされていく。

 

彼も懸命に自分の病魔と闘っていたのだが、いささか疲れた。いつも、スパイに狙われ、お前はくだらぬ人間、また失敗するぞと囁く病魔。そういえばいるはずのないルームメートはプリンストン大に入った時から取り付いていたのだった。

 

 困惑極まった彼は、フラリと母校の大学を訪ねた。そこには元ライバルの旧友が、立派な教授になって、ナッシュのかつての大恩師の部屋を受け継ぎ、悠々と働いていた。二人の差はあまりにも明確であった。

 

「きみはやはりぼくに勝ったね。何もかも手にいれたのだもの。」

だが旧友は大学への就職を許しナッシュに職を与えてくれた。

ナッシュをよほど気の毒に思ったのだろうか。

 

それ以後は、ナッシュはだんだんと着実に学問を究めることに励み、病状も次第に安定したのである。

 

彼には数学しかなかった。彼はそれなしではありえないのだった。

 

ちょっとおかしな変わり者のナッシュ博士は学生にからかわれ笑われたりしながらも、講義をしてその日その日を暮らしていた。職員らも心配顔でそっと見守っていた。  博士がいつ、おかしな行動を起こすともかぎらないからであった。

 

そんなある日、見知らぬ男がひょっこりとやっって来て、彼に話した。

「実はノーベル賞のことなのですが、あなたが候補に挙がっているんです。」

これも幻覚ではないのかと首を振る博士。

しかし、これは本当のことであった。1994年にナッシュ博士は、数学の論文でノーベル賞を受けることが決まったのだ。

博士の考え出した、なんちゃらかんちゃらという理論は、経済学に大いに役立ち工場経営などすべての経営で大きな貢献を果たしていたのだ。

長い病気と熱心な研究の戦いの中でつかんだ大きすぎる栄誉に一番喜んだのは、もう白い髪の混ざった妻であった。辛い夫の看病に耐え、男の子を育て上げた。長い年月であった。

この題名にハマったスッポコは、数学がいつも落第点だっったことも忘れて、観るのだった。

 

ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)

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