ずいぶん前に見て、忘れられずにまた見て、三度は見ている。誰もが奇跡的な事を待ち望んでいる。そんな人間の弱みに付け込んで感動させるミミレダー監督の手腕はすごいな。
ハーレイ ジョエル オスメント、ケビン スペーシー、ヘレン ハント ジョン ボンジョビ、などが出演している。
ある日、学校に新しい先生がやって来た。ケビンスペーシー先生は社会の先生。
ユージーン シモネットという変な作り名である。
恥ずかしいから、こんな変な名前やめてほしい。赤面ものですよ。
先生はクラスのみんなに宿題を出す。何か社会を変えることをやってみよう!というものだ。
オスメントの家庭は、母子家庭で、父親は、アルコール中毒で家を出て行った。
ママ(ヘレンハントが綺麗だ)も実は酒が離せないのであった。
ただ昼も夜も働いて生活を支えていた。そんな中で、学校に通うオスメントことトレバー(これは平凡でいい名前)は、ママがいつも酒を飲んで苦しんでいるのを知っている。やめたくてもやめられない苦しみは地獄だからね。
ある日トレバーはホームレスの男を家に連れてきて、泊まらせる。ママがそれをみてびっくりして追い出すが、彼はママの車を修理してくれていた。
彼は麻薬中毒で、真面目に働くこともできない男であったが、トレバー少年に復活を誓う。ありがとうと。
そのあと、また麻薬にやられるが、ある高い橋の上で、身投げしようとする女と出会う。
君やめなさい!こっちに来て、お願いだから!麻薬中毒の僕を助けるために、どうか、身を投げないで、と必死に訴える。僕のために、死なないでという言葉に助けられて女は、我に返る。
シモネット先生は、トレバーのママに恋心を感じるが、自分の醜い顔や体のことを考えると、怖じけずいて告白できないのだった。実の父親に、油をかけられて燃やされた体であった。
だがシモネットは教師である。教師というのは二面性の生き物である。スッポコはほぼ信用していない。保身のためならば白を黒にでもしてしまう人達だからだ。ご意見、マニュアル通りですね、よくできました。いくら職員会議をしても無駄ですよ、時間の無駄。
ただ教師らしくカジュアルで無造作な衣服をきたのがよかった。めかしこまれても赤面だからね。
なぜってケビンスペーシーがめかしこむと、ろくなことにはならんと思うからだ。
そんな中、トレバーのパパがふらりと帰ってきた。彼は酒を飲んではママを殴る蹴るの暴力を振るう過去があった。皆が恐れていたことがまたはじまったのだった。トレバーは部屋に閉じこもって、じっとするばかりで無力であった。
このアル中のパパを演じるのが、ジョンボンジョビであり、何かが符合してると思った。
薬中、アル中、彼ににぴったりだったのか?
再びパパと別れてママはまじめにシモネット先生に向き合うのだった。
シモネットはママを愛するようになっていた。ママはあなたの体のことはなんとも思わないと言って
二人は一緒になることにする。
ペイフォワードとは、善意の行いを三人に渡す。その人はまた次の三人に渡して行く。
そうやって、この世が少しづつしあわせにかわってゆくとよい。そんな運動であった。
ある記者がそれに気付き、調べ始める。
そんな運動が、新聞やテレビのメディアに載るようになり、多くの人がこの運動に賛成して賞賛を表した。
そんな中で、学校のいじめっ子らが、トレバーの友だちを虐めていた。
それを止めに入ったトレバーは、一人の子にナイフで刺されて死んでしまう。
なんという皮肉……。
ママは悲しくてすっかり元気がない。シモネット先生と、泣いていると、外がさわがしい。
たくさんの町の人々がキャンドル片手にトレバーに尊敬と祈りを捧げに家の前に集まってきていたのだった。彼の心は確かに多くの人に伝わっていたのだった。